令和5年第1回福山市議会定例会が開催され、議員たちはさまざまな議案について熱心に討論する場面が見られた。
特に注目を集めたのは、令和5年度の福山市一般会計や特別会計予算に関する議案である。市長の枝広直幹氏は予算案について「財政基盤を堅持しつつ、安心して暮らせる街の実現に向けて、市民生活を支える施策に重点を置いている」 と強調した。
今回の予算案は、前年よりも減少しているものの、市税収の増加が見込まれていることから、財政運営は見通し楽観的であるとされている。具体的には、給与所得の増加により市民税が前年度比1.9%増の約761億6700万円、投資的経費として247億円を確保していると明らかにした。
また、議員の中で特に多くの関心が向けられたのが「学校給食の無償化」についての整備案であり、市民連合を代表して立った池上文夫議員はその重要性を訴えた。池上議員は「安心して子どもを育てられる環境が整うよう、学校給食の無償化を進めるべき」と発言し、学校給食費の無償化を実現するために必要な予算規模についても言及した。
さらに、公共施設のユニバーサルデザイン化の進展は、特に高齢者や障害者の社会参加に大きく貢献すると期待されている。市長は、関連する条例改正を進め、誰もが利用できる社会の実現を目指していると述べた。市長は「防災や減災に対する意識を高め、地域共生の環境を整備することが不可欠である」とも付け加えた。
この回議会では、福山城に関連した新たなイベントの企画や、地域の文化活動の重要性についても触れられた。伝統芸能の披露など地域とのつながりを深める施策が求められている。
その一方で、行政と市民、地域団体との連携を強化し、人口減少に伴う企業誘致や地域経済の活性化を図るとも明言した。市長は今後も市民の声を聞きながら、市民の生活向上に努める方針を示している。