令和5年第5回福山市議会定例会が11月28日に開催された。議会では、令和4年度の各種事業会計の決算認定などが議題に挙がった。
特に、福山市民病院に関する決算認定では、経済的な成果がほぼ期待された通りに出ていることが報告された。今岡芳徳企業会計決算特別委員長は、「病院は地域医療の基幹として、質の高い医療を提供し、経常損益が15年連続で黒字を達成している」と述べた。
具体的には、病院事業は令和4年度に純利益9億2506万7000円を計上した。これにより、利益剰余金は94億1461万円となり、病院債残高も103億2499万2000円に増加している。地域医療の確保について報告した際、「看護師など医療スタッフの充実に取り組んでおり、施設の改築計画も進行中」とも言及している。
そして、水道事業会計においては、12億1085万4000円の純利益を計上した。水曜会の議員は「水道事業は市民に良質な水を供給するための重要なライフラインであり、経営基盤の強化が求められる」と述べた。水道料金減少が予想される中で、管路の耐震化財源の確保が業務上の課題として挙げられた。
さらには、介護保険特別会計の議論も行われた。無所属の三好議員は「高齢化の進展に伴い、サービスの充実が必要不可欠である」と述べ、当年度の入所待機者が1240人に達している現状を嘆いた。また、介護従事者の処遇改善やサービスへの助成が急務であることも強調された。
この他、議会では度々取り上げられる福山市の環境整備、景観の向上を目的とした世界バラ会議福山大会記念基金の設立にも言及した。枝広直幹市長は「地域活性化のため、市民の参加を促す」と述べ、地域の活力再生に向けた取り組みを強調した。