福山市は、2020年12月18日に行われた全員協議会において「福山みらい創造ビジョン」の素案を発表した。
このビジョンは、新型コロナウイルス感染症や人口減少、少子高齢化及び自然災害といった課題への対応を目指すものである。市長の枝廣直幹氏は「我々行政の使命として、安心と希望の都市の実現に向けて着実なスタートを切ることが重要だ」と強調した。
このビジョンは、2025年度までに目指す福山市の姿を示すもので、特にデジタル化や都市魅力の創造に注力する。具体的な取り組みとして、新たな日常を確立するための施策や、地域のデジタル化による課題解決が挙げられた。政策課長の前原由幸氏は、「新型コロナウイルスの影響を受けて、早期の新たな日常構築が不可欠である」と指摘した。
また、地域のニーズについての市民意識調査の結果も重要視されている。調査では、市民が「災害に強い安全なまち」を求める声が多数あった。連石武則議員は、コロナ感染で揺れる市民生活において、新たな希望を持てる都市づくりが必要と述べた。特に子育て支援や地域社会の魅力を高める取り組みが求められている。
さらに、ビジョンの中では「新たな5つの挑戦」が掲げられ、それぞれの挑戦において市民が安心して住み続けられるよう施策が進められることが提案されている。この中には子育て世代の支援や教育環境の充実が含まれ、特に福山ネウボラの強化が期待されている。前原氏は「安心で健やかに育つ社会を築くため、子ども未来館構想を進めたい」と説明した。
さらに、議会内でも、企業のデジタル化や授業環境の整備についての議論が続いている。特に純粋な公共施設のあり方や地域コミュニティの充実について、現状の見直しが必要とされている。市民からの要望を受けて、トイレの充実など場合によっては特化した施策や環境整備が進められる意向が示された。
新分散型社会の実現も重要なテーマとして、福山市の持続可能な未来に向けた基本方針が確認されている。福山の地域振興に向け、これらの課題への取り組みが進むことが期待される。