福山市議会は、令和6年第1回定例会を開催し、数多くの議題が取り上げられた。
中でも、令和6年度の福山市一般会計予算が大きな焦点となった。予算案に関する質疑の中で、高木武志議員は、国民健康保険税が2023年度に過去最多の引き上げを記録したことに触れ、福山市の状況について市長に問いただした。「広島県では78.3%の自治体が国保税を引き上げており、特になぜ福山市がこのような高い水準に至ったのか」との質問に対し、市長は「国保税引上げの主な要因は、医療費の上昇にある」と説明した。
また、高木議員は、今後の国民健康保険の準統一についても質問した。市長は「準統一の見送りは、医療費増加により各市町が急激な負担を抱えないようにするため」と強調した。これに続いて、高木議員は「基金が20億円あるにもかかわらず、引下げの取り組みが急務である」と訴えた。
福山市の耐震化対策についても議論が交わされ、震度6強の南海トラフ地震が発生した場合の被害想定を議員が示した。市長は、住宅の耐震化率を2025年までに90%とする目標達成に向けて、施策の見直しをする意向を示した。さらに、耐震化のための補助制度の紹介も行い、「木造住宅の耐震化を重点的に進める」と明言した。
子育て支援に関しても、次年度からの第2子以降の保育料無償化の影響について具体的な数値を挙げて説明した。「影響額は約3億3000万円になる見込み」と述べ、無償化が実現することで約2200人が対象となることを説明した。また、今回の無償化に対する市民からの要望が高いことを市長は認識しており、予算配分を検討していることを述べた。
最後に、財政調整基金の扱いについて議論され、予算特別委員会設置の決定がなされた。議会全体として、福山市は厳しい財政状況の中で効率的な支出を続け、住民サービスの向上に努める方針を示した。