令和5年第4回福山市議会定例会が9月11日に開かれ、沿革ある福山市の公共事業について多くの議案が審議された。
本会議では、令和4年度の福山市病院事業会計決算認定が提案され、病院の運営状況が報告された。病院事業管理者の高倉範尚氏は、決算が安定的に推移していることを強調し、今後の医療サービスの充実に向けた展望を示した。また、財政状況についても、健康な運営が続いていることを挙げ、市債の維持も重要な課題であると指摘した。
一方、福山市の持続可能な財政運営に向けた課題も浮き彫りとなった。具体的には、少子高齢化社会における社会保障関連の費用増、これに伴う財政負担の増加が意識され、今後の経済成長とのバランスをどう取るかが議員たちにとって重要な論点となった。
質問の中では、特に市長の枝広直幹氏が、自らの任期中に特に力を入れてきた「福山駅周辺再生」についての施策を挙げた。市長は、新たな商業施設やマンション建設による駅前の賑わいの再生が、今後の施策の一環であるとし、公共事業も管理・運営の効率化を進める方針を示した。
また、福山市立大学の新設学部についても話題に上がり、地域経済復興や人材育成への期待が寄せられた。大学が新たに設置する情報工学系学部は、デジタル化の進展により求められる人材養成に貢献する意義が大きいとのことで、時代のニーズに合わせた教育方針が求められる。
市民からの要望も多く含まれた今回の議会において、今後の福山市の発展と持続可能性に向けた様々な取り組みが求められている。
最後に、一般質問の中では、捕獲班が地域における有害鳥獣対策を進めるための事務的支援が必要だとの指摘や、小中一貫教育の今後の方向性についての質問があり、教育長の三好雅章氏が事務方としての役割を強調して述べた。このように多岐にわたる議題が取り上げられ、市民の意見を反映しながら自治体の政策が進むことが期待されている。今後の施策がどのように実現され、福山市が持続可能な社会に向けて進展していくのか、注視が必要である。