福山市議会の令和2年第3回定例会が6月10日に開催された。議会では新型コロナウイルス感染症対策が大きなテーマとなり、様々な意見が交わされた。特に、小畠崇弘議員の一般質問では、感染症対策として小規模事業者への支援の必要性が強調された。
小畠議員は、小規模事業者の資金繰り不安について言及し、政府の持続化給付金を受けた事業者が増えていることを指摘した。その中で、福山市の独自施策として利子を補給し、実質無利子のマル経融資を実施していることも紹介された。この取り組みは、約500万円の予算で融資総枠14億4000万円という規模で実行されており、事業者にとって非常に有効だと強調した。
市長、枝廣直幹氏は、さらなる支援策の拡充を約束し、地域経済の安定に向けた取り組みを継続していく考えを示した。また、小畠議員は、テークアウトやデリバリーに新規参入する事業者への補助制度についても質問し、現在33件の申請が寄せられ、その内の26件が採択されたと報告した。市長は、今後もニーズに応じた制度拡充を検討する意向を示した。
次に、豪雨災害対策が重要なテーマとして挙げられた。小畠議員は、浸水被害が特に多かった瀬戸川・福川流域について、抜本的な対策が必要であることを訴えた。市はこれまでに、国や県と合同で浸水対策協議会を設置し、様々な施策の進捗を図ってきたことを報告した。市長は、今後も防災対策の強化に取り組む考えを示した。
また、教育行政の分野でも多くの議論が展開された。特に、コロナ禍での学校再開に際し、教育環境が重視されている中、学校給食の提供や、休業中の学習支援について言及された。市長は、保護者への説明を強化し、教育の質を維持向上させる努力が必要だと述べた。
一方で、部落差別解消推進条例の必要性についても言及があり、福山市の人権施策の強化が求められている。市長は、今後も人権に関する啓発を進めていく意向を示した。
福山市では、地域活性化の観点から、公共交通の運営やコミュニティの再構築も重要な課題として取り上げられた。特に、地域住民による交通サービス活用が提案され、さらなる取り組みが期待された。市長は、地域のニーズに応じた、もっと使いやすい公共交通の実現を目指すと明言した。