令和3年第1回福山市議会定例会の中で，各議員は新年度予算案に対し様々な意見を表明した。特に焦点となったのは，福山市一般会計予算であり，それに関連する新型コロナウイルス感染症対策についても多くの議論が交わされた。
新政クラブの八杉光乗議員は，福山駅周辺の再生や北産業団地の整備を含む活力と魅力ある都市づくりに注力していると発言し，未来への投資が重要であると指摘した。市長の枝廣直幹氏は，福山市の未来を見据えた予算編成が必要であると応じた。
次に，令和3年度の一般会計予算は1766億8000万円と過去最大規模であり，前年度比1.7％増となることから，歳入の根幹となる市税は新型コロナウイルスの影響で減少し，個人市民税や法人市民税，固定資産税が打撃を受け，総額は約687億円と想定されている。
さらに，社会保障関係費は引き続き増加する見込みであるが，市は持続可能な財政運営を目指し，行財政改革も進めている。このような情勢を受けて，子ども医療費助成制度の拡充や，小中学校の空調設備整備なども進められる。
また，八杉議員が提案した新年度からの福山みらい創造ビジョンのスタートに伴い，市民が快適で心豊かに暮らせる環境の整備が求められている。これには，デジタル化の推進が不可欠であり，有効な施策が議論された。
他方，河村晃子議員は，福山市における妊娠・出産支援策や，ひとり親家庭支援に関する施策の充実についても言及。特に，母子生活支援施設の維持と支援の重要性を訴え，行政が担う役割についての見直しが必要であるとの認識を示した。
また，市長は新型コロナウイルス対応策として，市民の協力を促す必要性を強調し，豊かで安全なまちづくりに向けた施策の重要性を述べた。市民生活に密接に関わる予算案に対しては，各議員から厳しい目が向けられ，その方向性が注視されることとなる。
現状では，特に経済的に厳しい状況にある家庭へのさらなる支援が求められ，議会ではその意見が一致していた。市長や副市長をはじめとする執行部は，これらの意見を受け，今後より良い政策の実現に向けて努力するとしている。予算案が成立すれば，その実施状況も定期的に議会で議論され，市民生活の質向上につなげる施策が進められることが期待されている。