令和3年3月17日に開催された福山市議会の全員協議会では、福山みらい創造ビジョンについての議論が行われた。
このビジョンは、本市が今後の社会変革に対応した持続可能な発展を目指すための計画であり、特に新型コロナウイルス感染症や自然災害への対策、人口減少の克服に重点を置いている。
福山市役所の企画政策課長、前原由幸氏は、ビジョンの中核をなす「新5つの挑戦」の具体的な施策が定められたことを強調した。特に改訂されたポイントとして、2021年の市政モニターアンケートの結果や、福山みらいづくり懇話会からの意見を反映したことが挙げられた。具体的には、市民の健康と安全、子育て支援、地域経済の活性化が重視される。
さらに、合計特殊出生率についてのデータも議論の中心となった。2021年の出生数は約3600人であり、希望される出生数との間には650人から700人の差がある。企画政策課長は、この差を埋めるためには不断の努力が必要であるとし、ペルソナ分析を通じた施策の強化を図ると述べた。また、20代女性の転出超過問題についても触れ、労働環境や雇用形態の改善が重要であると考えを示した。
三好剛史議員も、このビジョンが女性の雇用改善にどのように寄与できるかを問」い、非正規雇用の多い女性が直面する厳しい労働環境を踏まえた具体的な施策を求めた。経済部長の藤井信行氏は、短期的な助成事業と長期的な雇用の拡充を両立させる必要性を訴えた。特に、産業界との連携を強化していく意向を示した。
また、河村晃子議員は、デジタル化についての必要性を指摘し、地域課題の解決に向けたICTの活用についても言及した。将来的な社会インフラの整備や地方創生の関係において、デジタル化が果たす役割について改めて考えるべきであるという見解が示された。議論は多岐にわたり、福山市の未来に向けたビジョンの実現に向けて、具体的な取り組みの重要性が強調された。
今後のビジョン実現に向けて、福山みらい創造ビジョンの政策がいかに市民の生活に影響を与えるか、具体的な成果を示す必要があるとの意見が多数出ている。福山市では今後も市民の声に耳を傾けながら、持続可能な社会の形成に向けた施策を進めていくことが求められる。