令和3年第1回福山市議会定例会が開会した。
この定例会では、会期の決定や新年度の予算案が議題に上がり、市政運営の基本方針が示された。特に目を引いたのは、令和3年度福山市一般会計予算案の提案で、市長の枝廣直幹氏は新型コロナウイルス感染症の影響に対応するための施策を強調した。
まず、一般会計の当初予算規模は過去最大となる1766億8000万円で、昨年度比1.7%の増加を見込んでいる。市長は、「この予算案は、安心と希望のための挑戦予算であり、新型コロナ対策や都市魅力の創出など三つの柱を中心に約217億円を重点配分する」と述べた。
新型コロナウイルス対策としては、ワクチン接種が挙げられ、接種費用は無料で、対象は16歳以上の市民となる。市内では集団接種と個別接種を併用する計画が進められており、枝廣市長は「医療従事者への優先接種を3月中旬に開始し、65歳以上の方から順次接種を広げる」と説明した。
一方で、経済支援も課題であり、市内の中小企業への支援策の強化が求められている。具体的には、売上が大幅に減少している飲食店への県との連携による応援金の創設などが挙げられている。
さらに、令和3年度の予算案には、福山市国民健康保険特別会計予算についての議案も含まれており、請願第1号として国民健康保険税の引き下げを求める要望が提出されている。提案者の三好剛史議員は、コロナ禍での生活困窮者への配慮として、加入者負担の軽減策の必要性を訴えた。また、各種支援制度や減免の拡充が求められた。
このように、福山市議会では市民生活の安定を図るための議論が進められ、政策を通じた市民への支援の強化が焦点とされている。今後の審議によって、具体的な施策の実行が期待される。