令和4年6月15日、美濃加茂市議会で行われた定例会では、さまざまな課題について市議員たちから活発な議論が交わされた。
最初に取り上げられたのは、農業用水の危機管理についてである。高井厚議員は明治用水で発生した漏水問題を踏まえ、美濃加茂市の農業用水における脆弱性を指摘し、特に地震や豪雨による影響に備える必要性を強調した。その上で、白川導水路や調整池の耐震化対策についても質問が寄せられた。市の担当者は、現状では大規模な点検を済ませており、浸水害や地震に備えるための具体的な対応策を検討していると述べた。
次に、教育基本計画の見直しに関する議題が挙げられた。古川教育長は、教育の質向上を図るため、授業改革の重要性を再認識し、いじめや不登校の現状についても厳しく捉え、対策を行っていると報告した。特に不登校者数の増加に対しては、心理的支援の充実や教員と生徒との信頼関係の構築に努めているという。
その後、自治会要望制度の廃止への懸念も示された。市民協働部長は、自由度が増した一方で、担い手の負担感が軽減されたことを強調した。自治会ン加入率の低下が問題となり、市民のコミュニティ参加を促す必要があるとの見解も示された。
新庁舎整備の推進も大きな課題となっている。市長は、庁舎建設に関する慎重な検討を約束し、市民アンケートでの意見収集を行い、新たな移転計画を策定する方針を示した。
また、最近の国政策に基づく脱炭素の進展にも言及した。兵庫県の先行事例を参考にしつつ、市のエネルギーコスト削減に向けた取り組みを進める姿勢を強調した。特に、再生可能エネルギーの導入が子供たちの未来に向けた重要な施策として位置付けられている。
最後に、子育て世代の支援拡充として18歳までの医療費無償化の提案があり、慎重に議論が行われた。市民福祉部長は、経済的負担の軽減が必要であることを理解しつつ、無償化の予算確保については課題が多いとしつつも、引き続き他市町村の動向を注視していく考えを示した。
この日の議論を通じて、美濃加茂市は、未来のまちづくりや教育、コミュニティの再構築を進めつつ、地域住民の声に耳を傾ける姿勢を崩さないことが重要であると確認された。