令和2年3月定例会において、困難に直面している美濃加茂市の現状に関する多角的な議論が交わされた。特に新庁舎建設計画や、地域活性化に向けた具体的な方策が中心テーマとなった。
多くの発言があった中で、特に新庁舎建設計画の進捗状況が焦点となった。市長の伊藤誠一氏は、長年の市政の課題である庁舎の老朽化を受けて早急な対策を講じる必要があるとし、「新庁舎は市民サービスの充実に寄与する重要な施設になる」と述べた。また、新庁舎が美濃太田駅周辺のコンパクトなまちづくりを支える核となることが期待されている。
続いて、あい愛バスの運行状況が報告され、各路線の利用状況や改善の必要性についても意見が交わされた。公共交通利用の促進が図られている一方で、利用者数の伸び悩みが課題とされ、特に高齢者向けの対応について、運行の便の充実が求められた。市民からは、利便性を高めるための取り組みや、投票所の時刻表情報の見やすさについても意見があった。
高齢者の福祉施策についても言及され、市は高齢者の外出支援や健康づくりの観点から、あい愛バスの利用を通じてコミュニティ形成を促進していく旨を強調した。特に、新年度から始まる施策として、地域の特性に合った福祉サービスの充実が掲げられている。加えて、環境問題への取り組みも話題に上り、環境教育や地域参画を通じた持続可能な社会の形成が訴えられた。
市長は、あい愛バスのさらなる利用促進に向け、地産地消の観点での地域課題解決を進める意向を示し、「地域の皆さんの声に耳を傾け、一緒に解決策を見つけていきたい」と述べた。議員からは、ウォーカブルシティの実現に向けた期待感が寄せられ、地域との連携強化の必要性も再確認された。市は今後も市民との対話を重視し、地域づくりに邁進していく所存だ。