令和5年3月定例会が美濃加茂市議会で行われ、個人情報保護に関する条例など、多数の議案について審議が行われた。
特に注目されるのは、美濃加茂市個人情報の保護に関する法律施行条例についてだ。議第1号で提案されたこの条例は、匿名加工情報の取扱いに関する方針を市民に提示する重要なものである。議員の纐纈源太氏が質問した内容に対し、斎木竜介総務部長は、現時点では匿名加工情報の導入を見送っていると述べた。また、今後の社会情勢などに応じて、方針を見直す可能性があることも示唆した。
議第2号の情報公開・個人情報保護審査会条例についても質疑が行われ、議員からは個人情報の範囲の拡大に関する質問が多く寄せられた。斎木総務部長は、個人情報の定義は生存する個人に限られるように変更され、より限定的になったとのことだ。
デジタル社会の形成に向けた法律の整備に関する議第3号も議題に上がった。これにより、市全体のデジタル政策の枠組みが強化されることが期待されている。
さらに、議第5号では市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の改正も行われ、特にテレワークや柔軟な働き方を反映させるための基準が追加されることとなった。経営企画部長の石黒幸治氏は、今後の職員の働き方に応じた対応の重要性を訴えた。
また、議第8号では家庭的保育事業の基準についても議論がなされた。渡邉一子議員は、現行の公立保育園および私立保育園のバスの安全対策について言及し、市の取り組みの改善が求められた。可児雅之健康こども部長は、全ての園のバスにブザーを設置する計画があることを報告し、さらにダブルチェックや定期点検の実施を強調した。
最後に、予算関連の議案も審議されたが、特に美濃加茂市の国民健康保険制度の改正についても質疑があり、市民への影響が不安視されている。
市議会はこれらの議案について、引き続き慎重に審議を行っていく方針だ。