棚倉町議会は令和5年6月15日に開催された定例会において、さまざまな案件を討議した。特に注目されたのは、独り暮らしの高齢者対策や学校給食の無償化といった地域の重要な課題である。
第3番割栢義夫議員は、独り暮らしの高齢者が増加している現状に懸念を表明し、町の調査や支援策について質問した。町長の湯座一平氏は、民生児童委員や地域包括支援センターと協力し、独り暮らしの高齢者の実態把握や見守り体制を構築していると述べた。また、554人の独り暮らし高齢者がいるとの調査結果を示し、孤独死に対する対策も進めていることを強調した。高齢者対策は今後ますます重要であり、地域で支援する人材育成の必要性も訴えた。
続いて、割栢議員は町の3歳児健診についても言及し、視覚スクリーニングの有効性を指摘した。町長は、健診による弱視の早期発見を重視しており、今後も積極的に対応していく考えを明らかにした。特に、弱視に対しては家庭への啓発活動に力を入れており、県の施策とも連携しているとのことだ。
一方、学校給食に関する議論も白熱した。古市泰久議員は、早期の給食費無償化が必要であるとの立場を強調し、町民の声を反映させる重要性を訴えた。また、町長は、国の施策動向を注視しながら、地域の実情に即した支援策の検討を進める意向を示した。特に、奨学金の貸付制度も見直すべきであるとの意見があり、新たな制度創設の必要性が浮かび上がった。
さらには、棚倉町の防犯対策や特殊詐欺への取り組みについても話題となった。町は公共施設に防犯カメラを設置しているが、その設置状況や効果について議員からの厳しい意見が寄せられた。今後の判断基準や新たな設置計画については慎重に検討する必要があると認識された。
このように、今回の議会では町の将来を見据えた多岐にわたる議論が行われ、住民の安全や生活の質向上に対する熱意が感じられた。次回の会議に向けて、具体的な施策の実行が期待される。