令和3年9月17日、白河市議会が行った定例会では、地域の重要な課題が数多く取り上げられた。
議題の中で、大きな関心を集めたのが南湖公園の振興および魅力発信に関する議論である。南湖公園は220年の歴史を有し、市民に愛されるスポットとして知られるが、近年の訪問者数の減少が指摘されている。石名国光議員は、次世代にこの公園をどのように引き継いでいくか、市長の考えを問いかけた。市長の鈴木和夫氏は、「南湖は士民共楽の理念の下に築かれ、歴史的価値が非常に高い場所である。多くの人々に愛され続けるための取り組みを継続し、また新しい魅力を創出していく必要がある」と述べた。
南湖公園の魅力を発信する事業についても話題となった。議員からは、昨年から実施されている南湖公園魅力発信事業において、竹灯籠ライトアップを計画していることや、地域住民の参加を促進する取り組みに対する期待が表明された。齋藤稔産業部長は、「夏に開催された南湖フェスティバルには多くの親子連れが集まり、好評を博した。このようなイベントを継続し、地域の魅力を発信していく」と説明した。
さらに、高齢者支援に関する議論も活発に行われた。新型コロナウイルスの影響で、高齢者の社会的孤立が問題視されている中、地域での高齢者サロンや体操教室の役割が改めて重要視された。伊藤公一保健福祉部長は、現在44か所で開催されるサロンの活動状況を説明。参加者が社会と繋がりを持ち、楽しみにしている現状を強調した。
その後、高齢者が楽しむことのできるグラウンドゴルフ場の常設化についても提案があった。市民からは、屋外活動の場としての整備を求める声が上がっており、教育部長は、「今後も施設の利用促進こうした要望に応えていきたい」と述べた。
最後に、デジタル化に関する懸念についても議論が交わされた。深谷弘議員は、デジタル化が進む中でのセキュリティや個人情報の管理問題を取り上げ、「新しい技術導入にあたっては、市民のプライバシーをどう守るかが重要だ」と強調した。市長公室長は、丁寧なガイドライン策定を約束し、安全性の確保に努める考えを示した。