令和3年12月15日、白河市議会では、一般質問及び上程された議案に対する質疑が行われた。この会議では、介護保険制度に関する高橋光雄議員の質問が特に注目された。
高橋議員は、介護保険制度の導入から21年が経過し、市民の意識が大きく変化していることを指摘した。特に、特別養護老人ホームの待機者が200名を超え、介護サービスの需要が急増している現状に危機感を表明した。さらに、介護職員の賃金が他産業に比べて低いため、人材確保が困難であることを強調し、政府の支援策を求めた。市長の鈴木和夫氏は、介護保険制度の持続的な運営には財源の見直しと職員の労働環境改善が必要だとし、地域包括ケアシステムの導入による在宅介護の充実を目指す考えを示した。
次に、税収の見通しについての質問が行われた。令和2年度の市税決算額は93億7939万8000円で、前年度比で減収となったが、令和3年度においては回復基調にあり、税収の安定化が見込まれている。総務部の井上賢二部長は、固定資産税の増収を期待する意向を伝えた。
成人式に関して水野谷教育部長は、令和4年1月9日に成人式を実施するが、新型コロナウイルス感染対策として入場者の制限や感染予防措置を講じることを明らかにした。
さらに、「れきしら」入門編の利活用については、唐橋建設部長が具体的な取組を紹介。地域の理解を深めるために学校での教材としての活用を進める方針を示した。
交通インフラの整備についての議論もあり、柴原隆夫議員は国道294号の整備による地域発展の必要性を訴えた。市長は地域の資源を活用したまちづくりを進める考えを示し、地域住民との連携を強調した。
最後に、ゼロカーボンシティ宣言に関連し、邊見市民生活部長は再生可能エネルギーの導入に向けた調査を計画していることを報告した。この宣言に取り組むことで、持続可能な社会の実現を目指すと述べた。
このように、一連の議論では介護保険や市税、地域の活性化、環境対策など、多岐にわたるテーマが取り上げられ、市民の生活向上を図る施策が提言された。