令和6年3月7日、白河市議会定例会が開催され、市の重要な事業についての質問が行われた。
特に注目を集めたのは、南湖公園を生かしたまちづくり事業である。この事業は、歴史的遺産である南湖公園の保存と活用に向けた基本構想を策定するもので、鈴木和夫市長は大正13年の国史跡指定から100年を迎えるにあたり、意義深いものだと強調した。市長は、「南湖公園は全国で40か所しかない国史跡の一つであり、ここでの取り組みは他市にも影響を与える可能性がある」と述べた。
また、歩行者の安全確保についても議論が行われた。石名国光議員は、南湖公園内の交通渋滞や歩行者の安全に関して懸念を示した。市長は一方通行制限などの社会実験を行う考えを示し、来訪者の安全確保に向けた取り組みを継続する意向を示した。加えて、南湖公園内の横断歩道の設置など具体策を検討する必要性を指摘した。
さらに、南湖公園でのライトアップ事業も予定されている。鈴木市長は、地域住民の参加を促し、竹灯籠の展示など市民と共に魅力を発信するイベントを開催する方針を示した。市長は、「市民参加型のイベントを通じて南湖の魅力をさらに引き出したい」と強調した。
清水門の復元工事についても質問があり、議員からは工事現場の開放を求める声が上がった。しかし、鈴木秀一建設部長は、市の建築基準法に基づく制約から、来場者の安全を第一に考え「工事見学会は開催するが、事前の入場は難しい」という趣旨の発言があった。
また、新規事業の不妊治療費助成に関しても注目が集まった。菊地浩明保健福祉部長は、「患者の経済的負担を軽減することが目的」と述べ、民間医療機関への通院補助も行う考えを示した。この助成策は、特に遠方の病院へ通う必要がある家庭に対する支援を重視しているという。
白河市は現在、これらの事業を総合的に進めることで、市民が豊かに暮らせるための政策を強化していく考えを示す一方で、各施策の具体的な進展を求める声も上がっている。議員たちは、住民の安全と未来を見据えた施策を一層充実させる必要があると結論付けている。