令和2年3月に開催された旭市議会第1回定例会では、市長が新年度の施政方針を述べた。
明智忠直市長は「急激な人口減少への対策が市の最重要課題」と切り出し、令和2年度から第2期総合戦略を開始することを強調した。これにより地域活性化へ向けた具体的な施策を推進し、持続可能な社会の実現を目指す方向だ。
特に、地産振興プロジェクトに力を入れるとしており、道の駅「季楽里あさひ」を中心に地域の魅力を発信していく計画を明らかにした。実際、道の駅は年間100万人を超える来場者を記録しており、さらに売上も増加傾向にある。これを受けて、地元産品のプロモーションを行う考えだ。また、映画やドラマの収録地として「恋する灯台」の飯岡灯台などを利用し、観光客の誘致を試みる方針を示した。
さらに、子育て支援プロジェクトにも注力し、出会いの場を創出する婚活イベントや、子育て世代包括支援センターの設置を進めるとした。こうした取り組みにより、少子化対策を強化し、市民が安心して子育てできる環境の整備を目指す。
議案の上程と補足説明も行われ、令和2年度の予算について詳細が発表された。予算額は過去最大の379億4000万円にのぼり、歳入では市税や地方交付税などの見込みが織り込まれている。特に、農業や水道事業、教育費の増加が顕著である。
明智市長は、今後も地方創生と国土強靭化の二つの柱を大切に、市民が豊かに暮らせる街づくりを進めていく意向を表明した。議長の伊藤保は、出席議員の意見を踏まえ、賛成多数で議案を通過させたことを報告し、会期の決定も承認された。