令和２年６月の横手市議会定例会が開催され、市長の所信説明が行われた。高橋 大市長は、新型コロナウイルスの影響による市政への諸課題に対する取り組みを強調した。今回の報告においては、突出して新型コロナウイルス対策の実績が取り上げられた。
特に、医療提供体制の強化に向けた施策が挙げられ、市立横手病院と市立大森病院が積極的に対応していることが報告された。春先から全国的に医療従事者が感染する事例が見られた中、病院側は厳格な健康管理体制を実施している。
市長は、医療従事者への感謝の意を表し、感染防止対策を徹底しつつ、医療体制の維持に努める考えを示した。さらに、若者や地域の社会基盤強化策を進める中で、横手市の魅力を高める取り組みを続けていくとの意思も示された。これにより、感染者の減少と経済活動との両立を図る施策に注力し続ける方針が伝えられた。
昨今実施されている小中学校のICT環境の整備は、教育の合理化とともに、家庭での学習環境の改善をも見据えた施策として重要視されている。教育におけるデジタル化が進み、今後の学習スタイルの多様化にも寄与するだろう。
ただし、未だに農業や商業等の地域経済はコロナの影響を受け続けており、事業主への支援に関して、具体的な策が求められている。市民の雇用確保に向けたさらなる予算措置も多く議論される必要がある。
また、新型コロナウイルスの影響で年度末には多くの失業者や困窮者が生じることが予想される。この中で、国民健康保険や生活保護制度でのサポートが急務とされ、自治体としての対応が強く求められている。年々厳しくなる市の財政事情も影響し、国保税の軽減策に対しても注目が集まっている。
議会では、これらの施策に携わってきた当局に対する厳しい意見等も出されるが、具体的な施策の実施には市長の強いリーダーシップと地域の絆を活かした対応が必要となる。