令和5年9月7日、横手市議会において定例会が行われ、観光振興や農業施策など幅広いテーマが議題となりました。
最初に、宿泊施設不足についての危機感が示された。議員は、観光客が横手市を訪れた際の宿泊が近隣市町村に流れてしまう現状を指摘しました。これに対し、市長は、「新たな宿泊施設を設けることは厳しい」と述べつつも、「民泊やキャンピングカー利用など新たな宿泊手段を考慮する必要がある」と答えました。これにより、地域の宿泊環境が改善される期待が寄せられます。
次に、観光誘客のための施策が話し合われました。市においては、大阪・関西万国博覧会に向けた観光連携策が進行中ですが、宿泊施設不足が観光業における大きな障壁となっていると強調されました。議員は、地域の特産品を活かした新たなお土産品の開発や、夏季、冬季にわたる一貫した観光戦略の重要性を述べました。これに対し、市の担当者は「地域の特産品や文化を反映した観光施策を進めていきたい」と応じました。
さらに、市はふるさと納税の実績についても報告。令和4年度は寄附金額が増加したものの、前年度比で寄附件数は減少しました。市は新たな寄附者層へのアプローチや返礼品の拡充に取り組んでおり、今後の戦略に期待がかかります。
また、公共温泉施設の運営についても議論され、すでに運営されている温泉については引き続き市がサポートしていくとの見解が示されました。地域住民が利用できる温泉施設の運営維持がその後の地域活性化に寄与することが示唆されました。
最後に、農業振興策における物価高騰への対応についても議論がありました。議員は、「農業資材高騰が生産者に影響を及ぼしている」点を指摘し、さらなる支援の必要性を強調しました。これに対して市長は、「効率的な肥料使用の推奨や地域資源の活用が求められる」と答え、高齢化や労働力不足と向き合う農業の在り方を模索する姿勢を示しました。
議会全体を通じて、観光振興、農業支援、地域資源活用が焦点となり、持続可能な地域発展に向けた多様な議論がなされました.