令和3年第3回横手市議会定例会が3月9日に開催された。
会議では一般質問から始まり、議員たちの質問が活発に交わされた。特に、財政調整基金についての質疑が多く、その重要性が再確認された。
加藤勝義議員が財政調整基金について質問した。彼は、市が冬の記録的な豪雪により、除雪費不足などに対応するためこの基金を取り崩している状況を指摘した。高橋大市長は、標準財政規模の15%から20%を維持することの重要性を強調した。市長は、今回の計画では基金残高の目安を20%に引き上げた理由として、新型コロナウイルス感染症や豪雪による迅速な対応が求められるためと説明した。これに対し、加藤議員は他の自治体の状況を挙げ、地下基準額についても厳格に管理する必要性を訴えた。
次に、新体育館構想に関する質問もあり、加藤議員はこの体育館が災害時の指定避難所の機能を持つべきであると主張した。市長は赤坂総合公園の広域防災拠点としての重要性を強調し、他施設との連携でいかに防災の拠点を強化するかがカギになると述べた。しかし、加藤議員は計画策定前に近隣市町村との協議があったか疑問を呈し、今後の意思連携の重要性を指摘した。
鈴木勝雄議員の質問では、コロナ禍の影響による市民支援について触れ、特別交付金の活用を提案した。また、除雪作業について市の資源向上や効率化を求める声も多く、特に間口除雪などに対するサポートの必要性を訴えた。市長は、特別な支援策の考慮が必要であることを認め、来年度に向けた検討の意向を示した。
また、農業振興の観点からは、農林部長が新しい園芸作物拡大支援の取り組みを説明した。新年度からスタートするこの施策は、果樹農家や小規模農業者の支援を意識し、事業者の数を増やすことを目指すものである。製品の販売促進や市場分析によって農業所入の増加につながることが期待されている。
横手市が新たな事業展開に取り組む中で、議員たちからの継続的な質問や意見が今後の政策決定に大いに寄与することが期待されている。議会での質疑を通じて、市民福祉に資する具体的な施策が推進されることが望まれる。