令和5年12月の横手市議会では、冬季に関連した課題や地域振興について議論された。特に雪に関する問題が多く取り上げられた。
福田誠議員は、横手市における雪による影響と、雪処理の実態について質問し、市の雪対策基本計画の振り返りを求めた。彼は「雪は永遠の課題」とし、事故や高齢者の雪処理作業のリスク、そして地域コミュニティの結束力低下に言及した。特に、高齢化と人口減少が進む中で地域の支え合いが危機に瀕していると強調した。
また、彼は「利雪」「親雪」「克雪」の3つのキーワードに基づく質問を展開した。市長の高橋大氏は、過去の計画に基づいた施策の成果を述べ、「利雪」に関して雪冷房公共施設の運用状況とその影響について報告した。具体的には、あさくら館などの施設での雪冷房利用は好評であり、地域経済にも貢献しているとのことだ。
福田議員は、雪を観光資源として活用する提案も行った。雪中運動会などのイベントで市民の関心を高める必要性を強調し、「子どもたちにとって雪は遊びの素材である」と語った。市長はその意見に賛同し、地域振興における雪の可能性を示唆した。
次にスポーツ振興についても議論された。福田議員は新横手体育館の運営に関する進捗を尋ねた。市長は「現施設の管理運営については、指定管理者制度を検討中」と答え、専門知識を持つ管理者の重要性を述べた。さらに、地域スポーツコミッションの設立に向けた取り組みについても言及し、各地のスポーツ振興策を生かす必要性を強調した。
最後に、議長は再度市有温泉施設に関する議論に触れた。上畑温泉の再建断念について、議員たちからは調査不足への疑問や市民への説明責任について意見が相次いだ。特に、地域の期待を裏切らないために説明会を開催し、住民の理解を得ることの重要性が指摘された。市長は「今後も地域の意見を取り入れながら、観光振興や市の発展を図る」と述べた。
このように、議会では地域振興につながる具体的な提案が数多く出されたが、その結論には反映させるための慎重な議論が求められる。