令和2年3月、横手市議会で令和2年度の予算案などが審議された。この中で最も注目されたのは、令和2年度横手市一般会計予算である。予算の総額は543億1,300万円に定められ、前年度対比で3.0%の減となった。財務部長の佐藤勉氏は、特に自主財源の確保が課題であると強調した。
議案の中では、議案第34号の市営温泉施設特別会計への繰入れが議題に上り、商工観光部長の佐々木公仁氏が説明を行った。1億1,004万9,000円を計上し、地域振興と観光の面から温泉事業を後押しする狙いを示した。この温泉施設は地域住民が利用できる重要な存在であり、経済活性化へ寄与することが期待されている。
また、議案第35号の浄化槽市町村整備推進事業特別会計への繰入れについても言及され、上下水道部長の木村忠氏は、1,156万3,000円を見込んでいると説明した。こちらも地方財政法に基づき、地域の衛生環境を守るため重要な施策と位置づけられた。
一方、予算案全体では、多くの分野にわたり、財政の厳しさを反映した結果、減額が目立った。しかし、健康と福祉、さらには教育にかける予算は引き続き重要視されており、財務部長は、未来に向けた市民サービスの充実に向けた取り組みを継続する意義を訴えた。また、再生可能エネルギーへの取り組みや新しい産業の育成も今後の課題に挙げられた。
今後、市が抱える課題への対応とともに、横手市の発展のために算出された予算が実際に運用され、地域社会にどれだけの貢献ができるかが鍵となる。議会の意見がどのように反映されるかも考慮する必要があり、議員たちの活発な質疑応答が続いた。市民にとっても身近な問題として、これらの議論は注目を集めることとなった。