令和2年3月25日、知多市議会において第1回定例会が開催された。
議会では、知多市手話言語条例と知多市認知症施策推進条例の制定案が提出され、両条例に関する質疑が行われた。
福祉文教委員会の伊藤清一郎委員長は、初めに手話言語条例について報告を行った。
そこで手話言語を使用しやすい環境の提供について、具体的な例が示された。「聾者が何不自由なく生活するためには、周囲に手話を理解できる人がいることが理想」との意見が述べられ、委員全員の賛成を得て原案は可決された。
続けて、議案第2号の認知症施策推進条例についても安定した施策の拡充が求められ、具体的な施策として「認知症高齢者支援」の取り組みが報告された。その中で、QRコードを活用した「見守りシール」や「認知症カフェ」の設置状況が述べられ、こちらも全員の賛成を得て可決が決定された。
その後、各議案の一括討論に移り、特に議員報酬及び経費に関する条例改正案に対しては賛否が分かれ、若干の議論が展開された。議員の中には報酬引き上げに反対する意見があり、「現在の報酬水準で十分だ」との主張が提起された。一方、賛成意見では「議員の役割に従った評価が必要」と強調され、最終的には原案通りに可決された。
知多市一般会計予算や特別会計予算も、次々と可決され、特に令和2年度の一般会計予算においては国民健康保険事業の運営など、市民生活に直結する内容が盛り込まれていた。
また、副市長選任に関する議案も審議され、鈴木副市長の退任後の後任として長谷川氏が選任され、報告を元に賛成多数で可決された。
市長の宮島壽男氏は、新型コロナウイルス感染症対策や市制施行50周年に向けた取組を報告し、今後の市政運営について市民や議員に協力をお願いした。