令和5年6月20日に知多市議会の第4回定例会が開催され、一般質問が行われた。本会議は18名の議員により成立し、主に地域公共交通や消防組織の安全衛生管理等に関する質疑が交わされた。
特に注目を集めたのは、15番の久野たき議員による地域公共交通に関する質問であった。久野議員は、地域バスの利用増加に対し、「市民の移動手段に係る対策は重要」と訴えた。令和4年度のあいあいバス利用者は11万4470人を超えており、高齢化の進行に伴い、今後の公共交通の利便性向上が求められる。
市長の宮島壽男氏は、地域公共交通の維持確保に向け、「運行事業者と連携し、地域バス事業を進めている」と述べた。地域バスの運行状況に関し、企画部長の細川賢弘氏は、「東部地域で実証運行を開始した」と報告。さらに、路線バス運行補助金に関する改正についても答弁が行われ、「便数の減少に配慮したダイヤ改正を進めている」との説明があった。
一方、消防組織に関する質問もあり、久野議員は消防職員の安全衛生管理の重要性を強調した。消防長の福田正氏は、「消防職員の健康管理が重要」とし、独自の産業医選任について説明。従来は市役所の産業医が兼務していたが、過酷な業務環境を反映し、専任の産業医を選任したことを報告した。
多様な問題が議論された今回の定例会では、今後の地域公共交通政策や消防の安全衛生管理が市政において重要な位置を占めることが確認された。市民からの要望も踏まえ、今後も市政に対する厳しい視線が注がれることとなる。