令和2年12月9日に開催された第6回知多市議会定例会では、様々な議題が上がった。特に小中学校の林間学校と修学旅行についての意見が目立った。
市内の学校では、新型コロナウイルス感染症の影響で多くの学校が行事を中止せざるを得なかった。そのため、重要な行事である林間学校や修学旅行が実施できない事態となる一方で、各学校の事情に応じて対応が異なったことへの不満が聞かれた。特に、修学旅行は各中学校で異なる訪問地や宿泊日数が設定され、保護者や子どもたちの混乱を招いたとの報告もある。
川脇裕之議員は、今年度の修学旅行の実施状況も含め、議会で質問を行い、教育長からは「全中学校で修学旅行の実施は行われたが、それぞれの事情に応じて実施方法が異なる」との答弁があった。議員は、この差異に関連して保護者たちの不満を指摘し、透明性のある情報共有を強く求めた。
教育委員会からは「コロナ禍の影響を考慮し、各学校の判断で修学旅行の位置づけを決めた」との見解が示されたが、川脇議員は、日帰りでの学校行事を修学旅行と呼ぶことの妥当性に疑問を呈した。特に、各校の対応の差異について議員は「同じ市の中で不公平感が否めない」と述べ、その背景には行政側の支援不足もあるのではないかと指摘した。
さらに、川脇議員は、修学旅行が中止になった場合に備えて、市がある程度の支援を行うことについても言及。例えば、キャンセル料の公費負担を他の自治体の取り組みを参考に提案した。教育長は「各学校の自主的判断を尊重し、修学旅行と同様の行事を市が支援する考えはない」との見解を示した。
今年度の修学旅行実施方針に関して、川脇議員は市に対して市内の小中学校全体での調整や情報共有が不足していると指摘し、改善を求めた。そこで教育長は、「今後も市教育委員会として通知を学校に送付し、情報共有を図ることに努めていく」と述べたが、具体的な行動計画までは提示されなかった。
また、新型コロナウイルス感染症により、修学旅行に参加することができない児童生徒に対しての代替行事についても議論が行われた。川脇議員は、自治体として小中学生を対象とした旅行ツアーの開催を提唱し、感染症リスクに配慮した形で行うべきだと強調した。
このように、コロナ禍での学校行事について多くの声が上がる中、川脇議員は、学校と市行政が協力し合い、子どもたちにとって最善の環境を提供できるように努力してほしいと願った。いかにして、児童生徒が充実した学校生活を送ることができるかが問われている。