2020年3月25日、宇部市議会は令和2年度の施政方針を中心に、正式に開議された。先日の会議で市長の久保田后子氏が施政方針演説を行い、市政運営の基本的な理念と予算の概要を述べた。
久保田市長は、令和2年度の予算を過去最大の686億4000万円とし、昨年度より22億3000万円の増加を見込むと強調した。この予算は、持続的な行財政改革や国・県等の補助制度の活用を図ったものであり、長期的な財政の持続性にも配慮した内容となっている。特に、市民生活の質の向上を目指した施策が中心である。
さらに、施政方針では「スマートシティ宇部」の実現に向けた取り組みや、宇部市の地域経済の活性化についても言及した。新型コロナウイルスの影響が続く中、市長は「市民の皆様との共生」や「多様性の確保」という観点も強調している。特に、境界を越えた支援体制の強化、教育や福祉など幅広い分野での具体的な政策が述べられた。
今回の議会では、さらに48件の議案が提出されており、一般会計予算や公共用地造成、介護保険事業の特別会計予算等多岐にわたり市民に関連する事項が数多く含まれている。
特に、議案第44号の選任についても重要な議題となる。今年度の教育委員会委員には、重村美帆氏が再び指名され、その背景として教育に対する高度な識見が挙げられた。市議会の賛成を得て、この選任が進められる見込みである。
施政方針演説を受けた市議の議論は、これからの課題解決に向けて、より具体的な政策を求める内容が多くなることが予想される。また、就任して間もない副市長の挨拶もあり、新しい体制でのスタートへの期待が寄せられた。
会期は30日間で、次回の議事につなげる重要な日程が設定されている。市長が述べた「宇部市の持続可能な発展に向けて、一緒に取り組んでいきたい」との言葉が印象的だった。