令和元年の宇部市議会において、さまざまな重要なテーマが議論された。中でも、戦没者慰霊のあり方や外国人観光客誘致策は、多くの市民と関わり深い内容となった。
特に、議場内では、戦没者慰霊に関する献花式の日時を8月21日に設定した理由の説明がなされた。市長の久保田后子氏は、8月15日の終戦記念ではなく、被災の際、多くの命が奪われた日を重視したとのことだった。このように、戦没者の認識を広げ、彼らの思いを後世に受け継いでいくことが重要だと強調された。
また、宇部市は、近年、外国人観光客の増加傾向があり、平成30年度には約1万8,000人の訪問者を記録した。この背景には、山口宇部空港の運用や地元の観光資源のプロモーション活動の効果があったと思われる。市長は、市内の観光資源を地方創生の視点から強化していく考えを示したが、韓国のエアソウルが運休した影響も心配される。
外国人観光客誘致策として、市はチャーター便を誘致し、アジアを中心に観光資源についてのPR活動を強化。また、東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に西日本を訪れる外国人へのアプローチも大切だと述べた。
うそ電話詐欺に関する報告も続いた。最近の事例において、高齢者が宇部市の職員を装った詐欺師に被害に遭ったことが、特に留意される。市では、啓発活動として悪質商法に関する出前講座や相談窓口の設置を進めている。
コミュニティの安全に向け、引き続き、関係機関と連携しながら、高齢者予防策の充実を図る必要性があるという意見が出た。特に孤立した高齢者に対する支援が十分でない現状が、地域の安心に直結するため、その可視化とシステム構築を志向すべきである。
最後に、戦跡の保存についての議論も行われた。宇部市が過去に遭遇した空襲やその歴史的背景を認識し、未来の世代に向けた継承の重要性が確認された。市としては、戦争の悲惨さを伝える活動を促進し、地域ぐるみで行う取り組みが求められている。