令和5年3月8日に行われた宇部市議会定例会は、市長篠﨑圭二氏による施政方針演説と議案に対する質疑が行われた。特に注目されたのは、ウィズコロナ時代における新規・拡充事業である。市長は、経済復興や市民の安心・安全な暮らしを守るプロジェクトとして、コロナ対策および物価高騰に対する緊急対策を挙げた。具体的には、プレミアム付商品券事業や産業育成プロジェクトが紹介された。特に、プレミアム付商品券は、前年度実施の結果を踏まえ、より多くの市民が利用できるよう、セットあたりの金額を1万円から5,000円に変更し、12万セットを販売する予定だという。これにより、昨年度の売上効果をさらに高めることを狙っている。
また、暮らしの安心・安全に向けたプロジェクトとしては、防災倉庫の設置や、高齢者支援の取り組みが挙げられた。市長は、地域防災を強化し、災害による被害を最小限に抑えるための具体的な施策を明言した。地域活動に対する奨励策や防犯カメラ設置助成金の拡充は、市民の安全を重視した施策であり、高齢化が進展する中での老後ボランティア活動の促進も追求される。
次いで、高齢者の健康促進に向け、帯状疱疹ワクチンの助成や健康ポイント制度の見直しが行われる。これにより、地域での健康づくりがさらに促進され、持続可能な社会の構築を目指す考えが示された。
一方、本市の教育環境を向上させるために、学力向上、子どもの貧困対策、さらには小中一貫教育を進める方針も述べられ、特に教育支援員の増員や校内ふれあい教室の設置が期待されている。学校環境改善の加速は、未来を担う子どもたちの成長に寄与すると市長は強調した。
この施政方針は、地域資源を活かした文化・スポーツの振興やMICE誘致を始め、地域全体のにぎわい創出に寄与するものと位置づけられ、多様な主体が共に活動できる基盤づくりが期待される。