令和2年12月14日、宇部市の市長、篠崎圭二氏による所信表明が行われ、市議会において活力ある産業創出や未来を担う人材育成が重点的に取り上げられた。市長は、特に今後の経済回復に向けた産業基盤の整備に力を入れる必要性を訴えた。
その中で、山下節子議員が市の目指す健康で活力ある産業創出について質問。「精神的な支えが必要」としながら、具体的な施策を求めた。
市長は、市内での産業振興の動きとして、宇部新都市にて本市の特性を生かした医療関連とバイオ技術を中心に、大学等の高等教育機関との連携を強化し、地元産業の活性化を図る意向を示した。さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進についても言及し、若者や女性への魅力ある雇用の場の創出にも力を入れていく考えを示した。
また、鴻池博之議員からは、コロナ禍による中小企業への影響とその支援について質問が寄せられた。市長は、持続化支援金や新生活様式対応支援金を通じて、多数の事業者を支援してきた実績を挙げ、今後も情報発信や相談体制の強化を行っていく意向を述べた。
さらに、生活困窮者に対する支援についても語り、住宅確保給付金の制度拡充や市営住宅への優先入居を進めることが必要であると強調した。これは、コロナ禍で特に影響を受けている家庭にとって緊急の課題と捉えられている。
荒川憲幸議員の質問では、核兵器禁止条約の批准を求める意見があり、政治的背景として国の方針を尊重しつつも、市長は核廃絶の必要性を認識しているとの見解を示した。
その後も質問は続き、トビイロウンカの被害対策や新型コロナウイルスの検査体制についての意見が出された。市長は、農家への直接支援や相談窓口の充実化を挙げ、地域全体の問題として取り組む重要性を説いた。特に、クラスターの発生が懸念される介護施設等への定期的な検査実施の必要性が重要視され、他市での事例もあることから、積極的な対応が期待される。
会議中、参加議員たちは、それぞれの質問や意見を通じて、今後の宇部市の発展に向けて多角的な視点から問題提起をしていく姿勢が示された。宇部市政は今後、これら議論や要望を受けた施策を通じて、地域経済の回復や市民の生活向上に寄与することが求められている。