令和2年3月9日の宇部市議会定例会が開かれ、市長の施政方針や議案に対する質疑が行われた。
市長の施政方針演説では、このたびの令和2年度の提案について市民の意見を重視する姿勢が示された。その中で、特にパブリックコメント制度の重要性を強調し、行政透明性の確保や市民参加の促進に向けた取り組みが語られた。これを受けて、時田洋輔議員(日本共産党)は、パブリックコメントの実施基準や意見反映の方法について質疑を行った。時田氏は、過去の事例を挙げ、実施期間が短く意見の反映が不十分である現状を指摘した。
具体的には、指定ごみ袋制度に関するパブリックコメントの反映が、実際に議案が公表されるその日までであることを問題視し、「市民の声を聞こうとしていない」と発言した。これに対する政策広報室長・望月知子氏は、意見を精査し計画に利用する場合もあるが、反映できない場合は理由を示すとの考えを述べた。
次に、公共施設のオストメイト対応トイレについての質問が行われた。ここでは、市民環境部長の中野加代子氏が対応状況を報告。現在、宇部市の公共施設において18カ所のオストメイト対応トイレが設置されており、啓発や案内表示の整備が急務であると述べた。しかし、対応状況に不安を訴える市民の声もあり、さらなる改善が求められている。
議論の中で、家庭ごみの有料化についても触れられた。荒川憲幸議員の発言によると、市が提案したごみの有料化に対し、地域住民からは反発の声が上がるなど、議論が続いている。市民の協力を強調しつつも、一部の市民が抱える負担感についての配慮が不足していることも指摘された。
さらに、議事は宇部市の商業活性化や、中心市街地の経済的支援に関する内容にも移り、地域での協力体制の重要性に焦点が当てられた。議会では、地域の人々が市政に参加し、活発に意見を交わすことが求められている。これにより、市民の声を反映した政治が期待される。今後の市政運営においては、引き続き透明性を維持し、市民参加を促進する姿勢が重要となる。