令和2年9月10日、宇部市議会の定例会が開催され、主要な議題として公共施設マネジメントや健康福祉センター跡地の活用といった問題が取り上げられた。特に、宇部市中心市街地の活性化と市民の生活向上を目指すトキスマにぎわい交流館の設置が重要な焦点となっている。
最初に、公共施設マネジメントについて議論が行われた。宇部市は、高度経済成長を経て多くの公共施設を抱える一方、今後は人口減少が見込まれる中で、施設の維持管理がいかに持続可能であるかが問われている。議案では、このままのペースで公共施設を維持すると、年間で約40億円のランニングコストがかかることが確認された。これに対し、経済効果を図る観点から、改修や新築に関して厳格にコストと効果を見極めなければならない。
また、公共施設の個別計画についても話があった。特に、住民ニーズに応じた施設の整備が求められており、自主防災活動や地域の社会教育の機能も意識した施策が必要だとされた。こうした背景から、市は今後、各施設の利用状況を注意深くモニタリングし、必要な改修などに向けた計画を着実に進める方針である。
次に、宇部健康福祉センター跡地の活用について議論され、市が所有するこの跡地が地域の活性化に向けた有望地であると認識されていることが強調された。宇部商工会議所との連携を強化し、地域住民が求める施設の整備を進める重要性が確認された。
トキスマにぎわい交流館の設置に関しては、デジタルシティの推進と共に、地域との結びつきを重視した設計が求められている。市は、従来の「書面、押印、対面」の統廃合を進め、オンラインサービスの利用促進を目指していることから、トキスマもその中核施設として機能することが期待されている。
市役所周辺地区は、特に中心市街地の活性化に重要なエリアであり、様々なサービスが提供されることから、コミュニティの核としての役割が益々重要になる。市民が集まり多世代が交流する場が必要で、そのための施策として、地域の企業や団体との連携を深める方針が確認された。
このような計画に対し、議会の意見は非常に重要であり、実際に進行している施策の内容についても逐次報告が求められる。市は市民へ情報提供を行い、透明な運営に努めると同時に、必要な施策が円滑に運ぶよう努力することを誓った。