令和3年9月8日の宇部市議会定例会で、骨髄バンクの推進と入院中の子どもへの学習支援が主な議題に挙がった。市長や議員から骨髄バンクの意義とドナー支援制度についての重要な意見が交わされた。
まず、猶克実議員は、骨髄移植がもたらす命の救済について強調した。今や血液の病は治療可能だが、移植にはドナーが必要で、その登録者数が減少している現状を指摘する。特に山口県では、人口当たりの登録者数が非常に低く、他の地域と比べて劣位にあることを報告した。
市長は骨髄移植ドナー支援事業助成金については、利用者がいない現状を煮詰めた。具体的には、骨髄ドナーが必要となった際の家族の介護や育児にかかわる経費の助成をすでに行っているが、実績がなく、広く進められていないのが課題とされた。
また、県内多くの自治体が同様の制度を設けている中、宇部市も限られた資源を有効活用するため、広報活動の強化を図るべきとの意見が示された。
次に、入院中の子どもへの学習支援についての議論も行われた。教育長からは、山口大学附属病院内に「病弱・虚弱特別支援学級」を設け、主治医の許可を得て、教員による授業が行われていることが説明された。さらに、同学級では体調が良好な時に、オンライン授業を行っている実績も報告された。
しかし、入院中の子どもが抱える心理的な問題や学校復帰の不安についてアプローチが必要であることが確認された。議員らは、病気による教育環境での不安を軽減するため、病院と学校との連携を強化し、社会的理解を促進する取り組みが求められると訴えた。
市長は、この問題は非常に重要であり、患者の心理的な面も考慮しながら、学校や病院間の連携を強化していく意向を示した。今後とも、こうした取り組みを続けながら、全ての市民が安心して暮らせる環境を整備することが重要であると強調された。