山陽小野田市議会の令和元年6月定例会では、現在の厳しい財政状況について議論が行われ、公共施設の管理や地域交通の利便性向上、定住促進施策、観光振興の取り組みが重点的に取り上げられた。
議会では、藤田市長が提唱した施政方針が実現へ向けた努力を強調しつつ、昨年度の総括も合わせて行い、特に財政の厳しさが今後の施策展開に影響を及ぼす可能性について言及した。市の財政計画によると、今後12年間の歳入は市税の減少とともに厳しい状況が続く見込みで、特に公共施設の管理や更新に関わる費用が年々増加し続けることが課題となっている。
特に、公営施設の管理においては、長寿命化計画が策定されているものの、その実現には多額の費用がかかり、長期的な見通しが求められている。山陽小野田市では、教育施設や公営住宅の維持管理も重要なテーマとなり、個別施設計画の策定が進められ、今後の進捗状況に注目が集まる。
また、高齢者の孤独死の問題も浮上し、地域包括ケアシステムの充実を目指す施策が展開されている。市民の意見をもとに、地域での支え合いが住民による見守り活動として重要な役割を果たしていることが説明された。さらに、地域交通の利便性向上を図るため、公共交通網形成計画が策定され、路線バスの再編計画も着手されている。
観光振興に関しては、昨年度に策定された観光振興ビジョンのもと、「訪れる人、住む人に心響き合うまち」を掲げ、地域資源を活用したプロモーションが進行中である。特に、観光プロモーション調査業務から得た知見をもとに、施策の見直しが進められる予定で、新しい観光振興プランの策定が期待される。市長は、地域活性化や財源の確保に向けて、企業版ふるさと納税などの施策も推進していく考えを示した。
令和元年6月の定例会で議論された各議題は、山陽小野田市が未来に向けて持続可能なまちづくりを進めるための重要なステップであると位置付けられている。市民が住みやすい環境を築くためには、引き続きこれらの施策が着実に展開されることが期待される。