令和3年3月29日に開催された日高町議会3月第2回会議では、複数の議案が審議された。
議題として取り上げられた中でも、令和2年度日高町一般会計補正予算(第14号)が重要な内容であった。この補正は、新型コロナウイルスの影響を受けた対策経費の増が主な理由とされ、歳入歳出の総額に約1億7,500万円を追加し、計139億9,812万円となる見込みであると企画財政課長の戸川貴教氏が説明した。
また、この補正には感染症対策に関連する支出が含まれており、特に保険衛生費として約11億4,800万円が盛り込まれている。これにより、町民の健康維持に貢献する施策が期待されている。戸川課長は、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、財源調整を行った」と述べ、厳しい状況下でも健康支援を強化する方針を示した。
次に、議案第2号である令和2年度日高町介護保険事業特別会計補正予算(第5号)についても審議が行われた。介護保険制度の改正に伴うシステム改修のため、歳入歳出の総額に201万3,000円を増額し、13億3,681万2,000円にする必要があるとの報告があった。これに対し、保険年金課長の井上義生氏は「国庫補助金の増額が期待できる」と強調した。
さらに、令和3年度日高町一般会計補正予算(第1号)についても審議され、富川国民健康保険診療所の新規医師採用に伴う特別会計繰出金の増が報告された。予算総額は108億1,694万7,000円となる見込み。戸川課長は、「新しい医師が参画することで、地域の医療提供体制が強化される」と期待を寄せた。
一方で、議案第4号の新型コロナウイルス感染症に関連する傷病手当金の支給についても検討された。期間が延長されることにより、就業を停止した場合の支援が強化される。井上氏は「全体の実施状況についてはまだ具体的な申請はないが、今後の需要を見込んで予算を計上した」と述べた。このように日高町では、コロナ禍における健康への配慮を重視した内容が議論された。
最後に、議案第5号では、常勤医師が決まったことで給与や手当の増額として約1,194万7,000円の補正が必要との報告があった。診療所事務長である野島浩人氏は、「新しい医師を迎えることで、医療の質が改善されることを目指す」と展望を示した。