令和6年9月6日、青梅市議会の定例議会が開催され、様々なテーマについての議論が交わされた。特に注目されたのは、戦争体験の継承や地域課題の解決に向けたICTの活用、さらに高齢者の移動支援に関する対策等である。
議会では、特に「戦争の記憶を次世代に伝える取り組み」の重要性が強調された。戦後80年を迎える来年に向け、青梅市における戦没者追悼や地域に伝わる戦争体験の継承が必要だとの意見が出され、市長の大勢待利明氏は、青梅市戦没者遺族会との協力を継続し、戦没者を想う行事を通じて地域に語り継ぐ努力を強調した。
次に、避難所における子どもたちの居場所作りについても議論された。災害時に避難所にいる子どもたちが安心して過ごせる環境の確保が求められ、国や都の取り組みを踏まえた支援策が提案された。市の健康福祉部長や教育長は、次世代の地域を担う子どもたちの居場所をどう作っていくかが大変重要であると再認識し、地域全体で子どもたちを支える姿勢の必要性が語られた。
ITを活用した地域課題解決では、青梅市が進めるICT施策の具体的な展望が示され、デマンド交通の導入についても前向きな意見が上がった。また、地域の特性を活かした新たな公共交通インフラの整備が待たれていることや、東京都との連携による実験的運用が期待されている。
さらに、クマの出没増加に伴う地域住民の危険意識への対策も求められ、特に集落周辺での情報共有の重要性が強調された。市長も、広域的な管理計画の見直しや、住民の知恵を借りた独自の対策が必要であるとの考えを示した。
女性活躍社会の推進に関しては、地元で育成された女子選手たちの活躍が象徴的に語られ、青梅市における更なる施策の強化が望まれている。市内でのエクストリームスポーツ活動や文化拠点の整備を通じた市民参画の促進が提案された。
また、市内民間保育所への支援についても現状の厳しさが共有され、保育士の賃金改善や経営支援策の検討が求められる中、未利用の公共施設や地域資源を活用した新たな保育コンセプトの導入にも期待がもたれている。
最後に、災害時のボランティア支援体制の強化と市民の協力関係の深化が求められた。地域住民の協力が得られるよう、災害ボランティアセンターの機能強化とその運営について具体的な検討を進める必要があり、ボランティアコーディネーターの養成に向けた取り組みも大切であるとの意見で結ばれた。