令和4年12月9日、練馬区議会において、重要な議案が一斉に取り上げられた。議案には、個人情報保護や指定管理者指定、さらには学校給食費の無償化に関わる提案などが含まれている。
まず、練馬区個人情報の保護に関する法律施行条例について議論がなされた。この条例は、国の法律改正に伴い同法が区に直接適用されることを受け、既存の個人情報保護条例を廃止し新たな施行条例を制定するものである。議案に対し、「インクルーシブな練馬をめざす会」を代表するきみがき圭子議員は、反対討論を行い、「自治体の独自規定を統一すること自体に問題がある」と指摘した。
さらに、議案第101号および第102号に関しても、審議会の組織見直しや規定の整備が進められるが、その一方で個人情報の保護についての意識が後退するのではないかとの懸念が示された。
次に、練馬区役所本庁舎の昇降機設備改修工事契約や、福祉施設の指定管理者の指定についても審議が行われ、各委員会からの報告が続けられた。この中では、障害者支援施設や敬老館の改正案についても盛り込まれ、それぞれの施設が果たす役割の重要性が強調された。
また、特に目立った議題は学校給食費の無償化を求める意見書について。坂尻まさゆき議員が提案したこの意見書は、貧困に苦しむ家庭への支援の必要性を訴えたものの、賛成多数で否決される結果となった。多数の議員からは、「義務教育の無償化は重要であるが、財源の見通しに課題がある」という声も上がったという。
最後に、散発的に報告された継続審査案件や条例についても、議会全体として今後の取り組みがかなりの重点が置かれていることが窺えた。前川燿男区長は、今後の施策の実施予定を述べ、区民に対する約束を新たにした。今後の議会でも、区民目線の施策が求められていくと考えられる。