令和4年9月9日、練馬区議会における第3回定例会での一般質問が行われ、水害対策や区内経済対策に関する重要な議論が展開された。
まず、水害対策について、星野あつし議員(練馬区議会公明党)は、近年の気候変動による影響を挙げ、特に8月の大雨により被害が大きかったことを指摘した。水害リスクが高い区域における災害対策の実施が必要であり、気象情報の収集方法や地域別防災マップの作成状況について質問がなされた。区長の前川燿男氏は、昨年3月に改定した総合治水計画に基づき、東京都と連携し河川や下水道の整備を着実に進めていると述べ、毎年実施している水災害対応訓練の重要性を強調した。また地域防災マップの作成を地域と協働で進めていることを紹介した。
次に、区内経済対策について、星野議員は、コロナ禍及び物価高騰の影響が区民生活にどのように影響を与えているかに関心を示した。長引くコロナの影響で、特に肝心の域内経済は苦境に直面しており、多くの区民が日々の生活費に苦しんでいる現状が報告された。前川区長はこの点について認識を示し、経済支援策として、給食費負担軽減策やキャッシュレス決済によるポイント還元事業を挙げ、区民生活の安定に向けた取り組みの重要性を説いた。
さらに、みどり施策に関しては、星野議員が、令和3年度の調査結果から緑被率が減少していることを指摘し、地域の緑化活動の推進について質問した。区は、SDGs活動を通じた地域コミュニティの創造と并び、緑の改善へ向けた施策の必要性を認識していると答弁した。特に、まちづくりにおけるみどりの確保と、市民参加を促す取り組みが求められている。
ヤングケアラー支援についての議論もあり、星野議員は、学校における支援体制の整備の必要性を訴えた。区では、学校がヤングケアラーを早期発見し、適切な支援につなげる体制を整えつつあると強調した。
最後に、自殺対策に関しては、星野議員が、練馬区の自殺者数が増加している状況を受け、区の対策について質問した。その中で、孤立を防ぐための地域連携の重要性が指摘され、保健所長の石原浩氏は、地域の支援体制の充実に向けた取り組みを説明した。
議論の中で、各議員からは、区民一人一人の生命と生活を守るために、さらなる施策の強化が求められた。これらの問題に対処するためには、区と住民が協力し、持続的な地域発展を目指すことが重要であるとの共通認識が形成された。この定例会は、練馬区における課題解決に向けた前向きな議論の場であった。