令和5年2月8日に開催された練馬区第1回定例会では、区長や議員たちが地域の重要な課題について活発に議論した。特に、災害時における弱者への対策が焦点となった。
まず、小川こうじ議員は、災害時に避難が困難な高齢者や障がい者の支援に関する具体的な計画について質疑を行った。彼は、個別避難計画の策定や避難行動要支援者名簿の作成の重要性を訴え、「要支援者の登録範囲を定めて策定に取り組む自治体の事例を参考に、練馬区でも早急に取り組んでいく必要がある」と強調した。区長の前川燿男氏は、要支援者名簿登録者の現況調査を来年度から実施する方針を明言し、個別避難計画の策定を進めていく意向を示した。
次に、LGBTQに関する議論が行われた。小川議員は、性的マイノリティーへの理解促進や多様性を尊重する社会の実現に向け、自治体パートナーシップ認定制度の導入を訴え、「当事者の声を反映し、区独自の制度を立ち上げるべき」との考えを示した。これに対し、副区長の小西將雄氏は、「多様性の尊重は確かに重要な課題であり、今後も当事者の意見を取り入れる努力を怠らない」と応じた。
さらに、都市農業の振興がテーマに挙げられた。小川議員は、特定生産緑地の指定や全国都市農業フェスティバルの成功を支援し、さらなる魅力発信と他自治体の優れた施策の吸収を求めた。関口和幸都市農業担当部長は、秋を予定に全国都市農業フェスティバルを開催し、練馬区の農業の魅力を打ち出す計画を説明した。彼は、「イベントを通じて、区外からの来場者を増やし、地域の活性化につなげたい」と意気込みを見せた。
フレイル予防についても多くの意見が飛び交った。高齢者の健康管理が重要視され、特にデジタル技術を活用した社会参加の支援が提唱された。区は、フィット&ゴーアプリを含む新たな取り組みを推進し、高齢者がフレイル予防に取り組む環境を整備する意義を強調した。
失語症支援や空き家対策などその他の議題にも触れられた。議員たちからは、失語症の理解促進が求められ、区が実施する具体的な支援策の充実を期待する声が上がった。空き家に関しては、管理不全の空き家問題への取り組みが強調され、地域環境への影響を軽減するための対策が急務とされている。
本会議では、みどり施策や児童・生徒の不登校問題についても意見が交わされた。環境問題の対策に関しては、脱炭素を目指す練馬区の方針が再確認され、将来的な取り組みが期待された。
このように、多様な課題について議論が交わされる中、区長や議員たちが地域の未来のための方針を示したことが地域住民にとって重要な意味を持つ。