令和2年11月30日、練馬区議会は第4回定例会を開催した。議会では新型コロナウイルスの影響を受けた様々な報告や質問が行われ、特にコロナ禍の経済に関する議論が注目を集めた。そこで、区財政について具体的な見通しや今後の施策が語られた。区長の前川燿男氏は、その厳しい状況について強調し、過去のリーマン・ショック時と比較しても異常な減収が見込まれると述べた。特に、区は過去に400億円以上の減収を経験しており、今後はそれを上回る危機が予想される。
来年度予算に向けては、最悪の事態を想定した上で財政調整基金の取り崩しや、資金確保のための起債発行を検討せざるを得ない状況である。さらに、府や国の支援を受けるため、必要な情報を逐次区民に届ける体制が求められている。
教育面の問題もクローズアップされた。田中ひでかつ議員は、卒業生の思い出作りに関する質問を行い、特にコロナによる行事中止の影響を心配した。文部科学省からの通知を受けて、練馬区教育委員会は延期扱いの考え方を示しており、修学旅行の実施方法についても柔軟な対応を求められている。
また、保育政策に関しても議論がされ、待機児童問題に対する対策が強化されていることが述べられた。それに伴い、特に多胎児家庭への支援の充実が必要との意見が上がり、区長もその重要性を認識していると答弁。その支援策を整えるための方針を示した。
緑被率の維持とともに、練馬城址公園の整備についても言及があった。区は将来的に、都立公園としての機能をより増強し、防災拠点としての役割を果たすことを目指しており、地域の声を反映させることがかかせないという。このように、練馬区は厳しい状況下でも、区民の声を受け止め、持続可能な政策を進める意思を示している。