令和5年6月15日、練馬区議会第2回定例会が開催され、高齢者福祉と子ども施策など、複数の重要な問題について議論が行われた。
最初に、高齢者の介護と福祉についての質疑が行われた。かとうぎ桜子議員は、コロナ禍を踏まえた福祉事業所の対応を取り上げ、今後の基本的な考え方を質した。前川燿男区長は、令和7年に団塊世代が全て後期高齢者となることを挙げ、地域包括ケアシステムを深化させる方針を示した。具体的には、健康で意欲的な高齢者が社会参加できる仕組みづくりが不可欠であるとした。
続いて、生活様式の変化に対応した高齢者支援が重要であることが強調された。現在、地域密着型の通所介護や認知症対応型の施設数が減少している問題に対し、区は情報発信を強化し、サービスの多様性を周知する必要があるとの見解が示された。また、介護にかかる経済的負担についても言及され、特に紙おむつ支給に関する限度額引き下げが懸念されている。福祉部長は、利用者を考慮した運営の重要性を述べ、影響を最小限にするよう努力する旨を伝えつつ、国の制度改正についても見直しを求める姿勢を示した。
次に、子ども施策について多くの関心が寄せられた。特に、学校給食費の無償化やヤングケアラー支援の現状についての意見交換が行われた。山田かずよし議員は、第2子以降の給食費無償化に対し、全ての子どもへの無償化を求める声を上げ、教育長はその政策の必要性を認めつつ財源の確保が課題であることを指摘した。
議会の中で、配食サービスや障害者への支援についても質問が飛び交った。特別支援が必要な障害者を対象とした配食サービスの必要性についても強調され、生活困窮者支援の拡充が求められた。区は、これらの課題に対し地域団体と連携し、支援の輪を広げていく方針を示した。
最後に、議会は区民の意見を真摯に受け止め、今後の福祉や教育施策の充実に向け、引き続き努力していく姿勢を示した。区長及び各部長は、各テーマに対し具体的な施策案や今後の計画について説明し、より良い社会の実現に寄与することを誓った。