令和4年11月29日に開催された練馬区の第4回定例会では、さまざまな重要課題が提起された。
主な議題の一つは災害対策であり、特に今後の関東大震災から100年という節目を控え、情報伝達や医療体制についての整備が強く求められている。宮崎はるお議員（練馬区議会公明党）は、災害時のFM放送を利用した情報発信の充実を求め、特に東日本大震災や熊本地震の際にラジオが重要だったと指摘。区の対応として77.1メガヘルツ周波数の割り当てを受け、周知や放送訓練を要望した。
また、災害時の医療体制について、医療救護所の設置やネットワークを整備する必要性が語られた。宮崎議員は医療従事者への訓練や情報共有の強化を訴え、ペット同行避難訓練の実施状況を評価しつつ、さらなる普及を求めた。
次の重要議題はDXの推進に関するものである。区は国のデジタル庁設置を受け、様々なサービスのデジタル化に取り組んでいる。特に、キャッシュレス決済の導入など、住民サービス向上に寄与する施策が評価される中、区民を対象とした使用しやすいユーザーインターフェイスの開発が提案された。
一方で、健康寿命を延ばすための施策の強化も求められている。出席した森田泰子副区長は、地域における健康づくりの必要性を強調し、フレイル予防や健康診断の充実を進める方針を示した。在宅医療の重要性も話題に上がり、区民が居住空間で医療を受けられる環境を整えることが新たな課題であると認識されている。
高齢者支援については、特にひとり暮らしの高齢者へのサポートが重要視され、訪問支援や見守りサービスの強化が求められた。福祉部長の吉岡直子氏は、来年4月には相談体制を拡充することを計画していると述べた。
若者の貧困対策についても質問があり、特に不安定な雇用環境にある若者への支援が必要とされている。区は生活困窮者支援センターと連携して、若者への支援を充実させる意向を示した。なお、教育環境の整備や地域交流の場での支援策も重要視されている。
最後に、議論の中で公園に関する問題も取り上げられ、地域住民の意見を反映させた公園整備の必要性が確認された。特に利用者が安全に過ごせる公園環境の確保が強調された。
令和4年の定例会は、練馬区が直面する課題に対する対策を練り直す貴重な場となり、関係者の意見を広く取り入れる形で、充実した答弁が行われた。今後の取り組みが期待される。