令和5年12月の小平市議会定例会が開催され、さまざまな議案が審議された。主な議題として、令和4年度小平市一般会計歳入歳出決算の認定案が浮上し、多くの議員から活発な質疑が行われた。
特に、この決算は新型コロナウイルス感染症の影響を受けた経済の厳しい現状を踏まえたもので、歳入は898億円、歳出は844億円と見積もられ、実質収支は約50億円の黒字と報告された。これを受けた議員からは、市の財政が十分に堅実であるとの評価がある一方、市民生活への支援が不十分との指摘も寄せられた。
また、令和4年度国民健康保険特別会計決算の認定についても、国保税の値上げ未実施が評価されつつ、財政的に厳しい状況を引き継いだままであるとの声や、診療報酬の適正化や医療費抑制に向けた施策の充実が求められた。市民から寄せられる意見の中には、健康被害救済制度に関連する申請件数の増加に関する懸念も見られた。
さらに、今後の多文化共生策に関する請願も取り上げられ、外国人住民への支援策が急務であるとの意見が出された。小平市には約5000人の外国人が住んでおり、彼らに向けた支援の重要性が強調され、包括的な多文化共生プランの必要性が議論された。市長は、国際的な動向と合わせ、市民との対話を強化し、地域の多様性を尊重した施策の実施を目指す姿勢を示した。
この日、議案のいくつかは可決されたが、反対意見も多くみられ、特に国民健康保険に関しては、財源確保や市民の負担軽減を求める意見が強く、今後の議論の行方が注目されている。市の行財政改革や福祉、教育、経済政策に対する厳しい視線が向けられ、市政運営がいかに市民の期待に応えていくかが課題として残された。