令和元年度荒川区定例会が6月25日に開催され、全32名の議員が出席した。この日は、様々な議題が話し合われたが、その中でも一般質問が注目された。中心となったのは、公明党の保坂正仁議員による再開発事業についての質問であった。西日暮里駅近くと三河島駅近くの再開発を巡る区民の期待や懸念が盛り込まれた質問は、多くの議員の関心を引くものになった。
保坂議員は、「区民から多くの期待の声が寄せられていますが、協力しない地権者もいる」と指摘した。これに対し、西川太一郎区長は「再開発は地域にとって重要であり、地権者と協議を重ねていく必要がある」と説明し、行政の努力を強調した。この再開発プロジェクトは、地域の活性化を目的とし、商業施設を含む多様な構成を検討している。
議題には、環境美化や犯罪のない街づくりも含まれた。保坂議員は、環境問題への取り組みや街路灯のLED化についても言及した。彼は「明るい街は犯罪抑止にも直結する」と主張し、区にさらなる対策を求めた。区長は、LED照明への切り替えを進めているとし、「全区的な照明改善に取り組んでいる」と述べた。特に、まだ水銀灯が残っている場所に関しては早期の改善が必要であり、区民からの期待も寄せられている。
また、特殊詐欺の撲滅に関する議論も行われた。保坂議員は、区が以前に実施した対策の効果を評価しつつも、「さらなる対策が求められる」と警鐘を鳴らした。西川区長は、警察や地域住民と連携した防犯活動の強化を約束した。
このほか、教育委員会の委員の任命同意や、人権擁護委員候補者の推薦についても審議が行われ、その結果、全てが適当であるとされた。議会では、多様化する地域のニーズに応えるための施策の必要性が強く感じられている。議論が進む中、荒川区が市民目線に立った施策を推進し、地域が抱える課題に真摯に向き合う姿勢が再度確認された。