令和元年第5回栃木市議会臨時会が11月15日に開かれ、台風19号による災害復旧に向けた補正予算案が可決される見込みである。災害の影響を受けた市民の生活を早期に再建するため、地元の状況に配慮した支援策が求められる。
行政報告では、大川秀子市長が今回の台風による未曾有の災害に対する詳しい被害状況を説明した。平井町および鍋山町では、大雨による河川の越水や決壊、さらには土砂崩れが発生し、住家の床上および床下浸水が多数確認された。また、商業施設や農業施設にも甚大な被害が報告され、農家148戸と約57ヘクタールの農業施設が影響を受けた。特に商業に関しては、316事業所で約62億2,000万円の被害が発生しており、復旧作業が急務となっている。
市長は、災害対応のための支援策を迅速に講じることを強調した。具体的には、災害ごみの回収や罹災証明書の発行体制を整えていること、さらに生活再建に向けた具体的な補助金や支援窓口の設置を検討していることが述べられた。これに加え、被害の大きかった地域には援助の手を差し伸べるべく、地域ごとの窓口設置を推奨している。
また、議案の中には、台風による被害に対して市が独自の支援策を講じるための予算案も含まれている。これに対して議員からは詳細な内訳が求められる場面もあり、透明性の確保が重要視される。議員は、被災者に対して適切な支援が提供されるよう、行政に対して厳格な監視と支援を求めており、審議を通じて市民の期待に応えるための対応を図る方針である。
本会議の採決では、議案第130号から第138号の補正予算案が一括して可決され、特に災害見舞金支給の特例に関する条例が制定された。これにより被災者への金銭的支援がスムーズに行われる見込みで、すでに約136件の申請が寄せられている。議員たちは、今後も各種支援策を講じるよう強く要望しており、全会派がこの方針を支持している。市長も、今後数ヶ月を見越した復旧、再建に向けた施策を続けることを約束し、議会との連携を重要視している。