令和3年9月、栃木市議会において詳細な一般質問が行われた。その中でも特に注目されたのは、人口減少や高齢化が進展する中での空き家問題や在宅医療の推進についてだった。市民からの懸念や要望が相次ぐ中、議員たちがこれらのテーマに対する方針を問う姿勢が伺えた。
まず、所有者不明の空き家についての状況が報告された。
栃木市では、空き家等の調査を行った結果、実に1,740件の空き家が確認されたが、その中で管理不全となっている空き家の件数は535件にも及ぶ。このような放置された空き家は、近隣の住環境にも悪影響を及ぼすという意見があがった。関係者からは、特に放置された空き地がふさがってしまうことによる治安の悪化や、経済的な時間的損失を懸念する声が聞かれた。
市では、この問題の解決にむけて多方面からのアプローチを考えている。具体的には、所有者不明の空き家に対して行政代執行や財産管理人制度を活用する意向だが、実行に移すには多くの法的手続きを要するため、迅速な対応が求められる。
次に、在宅医療についても認識が新たにされた。高齢化の進展と共に、在宅医療のニーズは高まっており、今後の体制整備が鍵となる。そのために地域包括ケアシステムの強化が重要視され、医療や介護の連携について具体的な取り組みが推進される必要がある。
医療依存度の高い患者が増加していることから、在宅医療を受けるための環境を整えることが非常に重要だ。特に訪問看護や介護福祉士との連携は必須であり、その力量を強化することが必要だとの意見が相次いだ。在宅での療養を希望する声が高まる中、市としてもその支援体制を一層整備する意義があると考えられる。
また、栃木インターチェンジの再整備に関する議論も展開される。周辺の開発に伴い、通行量が増加することが見込まれており、今後の渋滞対策が求められている。そのため、国や県との連携が不可欠であり、インターチェンジの構造的な改善も合わせて議論が必要である。