令和5年12月6日、浜田市役所で浜田市議会が開かれ、様々な議題が話し合われた。市民の生活基盤を支える水道問題や、福祉の充実、地域の人口減少とその影響について活発な議論が行われた。特に、水道事業に関する議論は市民生活に直接の影響を及ぼす重要なテーマとして取り上げられた。
田畑 敬二議員は、市の水道行政の現状について質疑した。特に未整備地域の飲料水の確保について問うた。市は、未整備地域が浜田、金城、旭、弥栄、三隅などで、合計501世帯886人に影響があると説明した。上水道エリアでは、飲料水を確保するために支援が必要だが、未整備地域には水道の整備が難しい状況だとの認識が示された。市民生活部長の井上 隆嗣は、未整備地域での飲み水が飲用井戸などで確保されていることは認識されていながら、その水質検査については市が直接行っていないことも明らかになった。
次に、川神 裕司議員が福祉と文化資源を活用したまちづくりの戦略について発言した。福祉のまち・浜田を実現するために、農業と福祉の連携を図る「農福連携」、並びに文化資源を観光に生かす戦略が必要であると強調した。特に石見神楽の振興について言及し、その課題として後継者育成が挙げられた。教育長の岡田 泰宏氏は、この技術の保護と次世代への継承が重要であるとし、市の支援を強調した。
また、沖田 真治議員は、地域経済の活性化、人口減少対策について言及した。現在、浜田市内の人口は4万9千795人、20-39歳の若者は8千28人いるが、依然として出生数は283人と過去最低の状況が続いており、若者定住促進のために市内産業、文化、レジャー活動の充実が必要であると訴えた。特に石見神楽や地元産業の地域資源を活用し、Uターンを促進する政策が求められている。
最後に、町内会組織についても質疑が行われた。自治会や町内会が高齢化により担い手が不足しており、各団体での活動が難しくなっているのが現状だ。部長は、地域の取り組みに対する課題に対し、必要な支援を行う姿勢を見せたが、地域活動の維持向上が求められることが明らかになった。今後も地域住民の協働を促進し、定住の魅力を高める施策が必要とされるとの認識が示された。