令和6年6月24日に行なわれた江津市議会の定例会では、様々な議題が扱われた。
特に注目を集めたのは、所得税法第56条の廃止を求める意見書提出についてである。この陳情は、個人事業者における家族従業者の社会的地位向上と基本的人権の保障のため、廃止を求めるものであった。建設経済委員会では、この陳情が審査され、賛否が分かれる中で、不採択と決定された。建設経済委員会委員長の寺前克宏氏は、「家族従業者の状況とその経済的配慮が必要である」と述べたが、討論においては反対意見も多くあった。
日本共産党江津市議会議員団の多田伸治氏は、家族従業者の労働が適切に評価されていない現状を指摘し、「この制度が続く限り、地域経済の後継者不足は解消できない」と強調した。一方で、他の議員からは法第56条の目的が「恣意的な所得分割による税負担の軽減を防ぐこと」であるとの意見があがり、議会では反対の姿勢が貫かれた。
また、議案第29号から第35号に関しては、江津市の異なる条例についての改正が行なわれた。特に、消防賞じゅつ金や家庭的保育事業に関する改正案が一括審議され、各議案は異議なしで可決された。総務民生委員会委員長の下谷忠広氏は、施政方針に基づく必要な措置であるとの観点から、議案可決を支持した。
さらに令和6年度一般会計補正予算についても議論が行われ、歳入歳出それぞれ7億8,552万円の減額により、予算総額が176億8,848万円と定められた。予算決算委員会委員長の坂手洋介氏は、「過剰計上を避け、必要な調整がなされた」とし、可決の意義を強調した。
意見書関係では、新型コロナ後遺症への対応強化と年金制度の充実を求める意見書が議題とされた。特に年金制度改革に際しては、賛成意見と反対意見が分かれる中、年金制度充実を求める意見書は否決された。反対意見を述べた坂手氏は、財源確保に向けた議論が欠かせないとして、早急な行動は難しいとの見解を示した。然而、賛成する議員からは、年金制度の必要性が続々と指摘された。
この定例会では様々な意見や議論が交わされ、江津市の地方政策に影響を与える重要な決定が下されたことが示された。