令和元年6月、浜田市議会定例会では多岐に渡る議論がなされた。その中でも特に注目されたのは人口減少対策と自治区制度の見直しである。
西田清久議員は、人口減少対策について強く訴えた。特に「神々や鬼たちが躍動する神話の世界~石見地域で伝承される神楽~」の日本遺産認定後の取り組みを問うた。市長の久保田章氏は、神楽を中心に地域振興を図り、2020年東京オリンピックに合わせた神楽の公演を計画していると述べた。この取り組みは地域文化を外部に広め、交流人口を増やす効果を期待している。
その他にも、佐々木豊治議員が新たな住民主体のまちづくりに関する質問を行い、公民館のコミュニティセンター化や学校通学路の安全対策などに言及した。市長や教育長は、それぞれの計画の進捗や具体的な取り組みを説明し、市民参加の重要性を強調した。
さらに熊や有害鳥獣対策についての質疑も行われた。市長は、特に最近の市街地での熊の目撃情報が増加していることを憂慮しており、地域の方々とも連携して防災対策を進める姿勢を示した。
美又温泉については、地域資源を最大限に活用し、住民と観光客が楽しめるような施設の整備が求められている点が挙げられた。さらに、地域活動や「浜田市協働のまちづくり推進条例」の制定に向けた意見も交わされ、住民参加型のまちづくりが今後の課題であると認識されている。
多くの発言者がそれぞれの立場から意見を述べ、浜田市の将来に向けた具体的なビジョンを模索する重要な会議となった。特に、高齢化社会における地域の繋がりや、協働の重要性が強調され、今後の施策に対しても市民の声を反映する必要性が高まっていることが感じられる。市は今後も住民の意見を聞きながら、より良い市政に取り組んでいく姿勢を崩さないだろう。