浜田市は、令和元年9月の定例会議で、まち・ひと・しごと創生総合戦略や観光振興策について活発な議論がなされた。
特に注目されたのは、芦谷英夫議員による総合戦略の進捗状況に関する質問であり、議員は熊本市等との人口関連データを引いて浜田市の厳しい現状を訴えた。地域政策部長の岡田泰宏氏は、主要指標の大部分が横ばいである現実を認め、特に若者の定着が最大の課題であるとした。
また、観光入込み客の状況の確認を求めた議員に対し、産業経済部長の湯淺淳氏は、温泉地を中心に全体的な減少傾向が見られると確認。その後、温泉振興策として地域資源を結集したプロモーションを強化する意向を示した。
笹田卓議員の質問では、乳幼児・児童医療費助成制度について、無料化が既に導入され好評を博している一方で、県内自治体間での制度の不均等が問題視され、担当者は都道府県全体での統一が求められていると認識を示した。さらに、不登校やいじめに関する現状報告には、高齢者虐待の深刻な問題が介在していることも指摘された。
今回の定例会議では、浜田歴史資料館の整備構想が再浮上し、教育長の石本一夫氏がその意義を説明した。今回提案された3つの建設案に対し、市民からの理解を得るため、慎重な説明が必要だとの認識も共有された。特に、整備費用と維持管理費が高騰している中で、優先順位に対する疑問の声も上がり、さらに市民から反発が起きる可能性も懸念されている。
検討課題は多岐にわたるが、全ての市民が納得できる形で進めることの重要性が強調された。未開発の地域資源、観光地の形成、医療助成制度など様々なテーマにおいて、浜田市が抱える課題をどう解決していくかが問われている。その結果、浜田市には持続可能な発展に向けた多くの可能性が秘められていることを再確認させる議論となった。