令和3年9月、湖南市議会の定例会が開催された。
この会議では、複数の請願および意見書が審議された。特に注目されたのは、松井圭子議員が紹介した請願第4号で、所得税法第56条廃止を求めるものであった。請願では、家族従業者の働き分を必要経費として認めない現行法の問題が指摘された。松井議員は、「家族従業者の人権を認めない所得税法第56条は廃止すべき」と強調した。この請願の背景には、女性が家族経営における専従者の大半を占めているという現実がある。全国で多くの自治体が同様の意見書を上げていることが示された。
次に、請願第5号ーー消費税インボイス制度の実施中止を求める請願についても松井議員が説明した。コロナ禍で苦しむ中小企業に対し、インボイス制度の導入がさらなる困難をもたらすとの懸念が示された。新型コロナウイルスの影響で多くの事業者が危機的な状況に置かれている中、松井議員は「税制で商売を潰すな」という強いメッセージを発信した。この請願は議会での審議が求められ、早急な対応が期待される。
また、請願第6号についても議論された。立入善治議員が提案したこの請願は、コロナ禍による米の需給改善と米価下落の対策を求めるものである。請願では、政府が米の過剰在庫を責任をもって買い取り、生活困窮者への食料支援に活用することが求められた。立入議員は「農業者の経営と地域経済を守るために、国の責任による対策が必要だ」と訴えた。
さらに、意見書第4号についても議論された。堀田繁樹議員が提案した意見書は、コロナ禍による厳しい財政状況に対処し地域税源の充実を求めるものであった。議会では、地方自治体が直面する巨額の財源不足に対、国に対して具体的な要望がなされた。議長は「地方自治体にとって健全な財政運営は不可欠であり、国の支援が求められる」と述べた。
このように、湖南市議会の定例会では、市民の生活を守るための具体的な請願や意見書が数多く提案された。各議員は、地域経済や社会福祉の観点から、よりよい政策の実施を目指して活動していることが強調された。